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楽天RMSアクセス分析完全ガイド【2026年最新】データから売上改善アクションを導く実践手法
更新日: 2026年5月25日 · 読了時間: 約22分
楽天市場で売上を伸ばすために最も重要でありながら、多くの店舗が十分に活用できていないのがRMSのアクセス分析機能です。楽天RMSには膨大なアクセスデータが蓄積されており、正しく読み解くことで「どこに問題があるのか」「次に何をすべきか」が明確になります。しかし実際には、数字を見ているだけで具体的なアクションに落とし込めない、そもそもどの数値を優先的に見ればいいのかわからないという店舗運営者が大半を占めています。
本記事では、楽天RMSアクセス分析画面の基本的な見方から、各指標の意味と関係性、流入経路ごとの分析手法、商品別のABC分析、時間帯・曜日別トレンドの活用法、そして最も重要な売上方程式(アクセス人数 × 転換率 × 客単価)をベースにした改善アクションの優先順位付けまで、データドリブンで売上を伸ばすための実践手法を体系的に解説します。
1. RMSアクセス分析画面の構成と基本的な見方
楽天RMSのアクセス分析は、RMS管理画面の「データ分析」メニューからアクセスできます。2026年現在のRMSでは、分析画面が大幅にリニューアルされており、従来の旧画面から新しいダッシュボード形式に移行が進んでいます。新画面ではグラフの視認性が向上し、期間比較や指標の切り替えがより直感的に行えるようになっています。
アクセス分析画面へのアクセス手順
- RMSトップページにログイン後、左側メニューの「データ分析」をクリック
- 「アクセス分析」を選択すると、店舗全体のアクセスサマリーが表示される
- 画面上部の期間セレクターで、日次・週次・月次・任意期間を切り替え可能
- 「前年同期比較」「前月比較」ボタンで、同条件での変化を即座に確認できる
分析画面の主要構成要素
アクセス分析画面は大きく分けて「サマリー」「推移グラフ」「詳細テーブル」の3つのエリアで構成されています。サマリーエリアでは、選択期間のアクセス人数、ページビュー、転換率、客単価、売上金額が一覧で確認でき、前期間との比較が矢印とパーセンテージで表示されます。推移グラフでは時系列での変化をビジュアルで把握でき、特にイベント前後やセール期間中のアクセス変動を確認するのに有用です。
詳細テーブルでは、商品単位、カテゴリ単位、流入経路単位など、さまざまな切り口でデータを深掘りできます。CSVダウンロード機能もあるため、Excelやスプレッドシートに取り込んで独自分析を行うことも可能です。
初めてアクセス分析画面を見る方は、まず「期間の設定」と「前期間比較」の操作に慣れることから始めましょう。これだけで、直近のアクセス状況が改善傾向にあるのか悪化傾向にあるのかがひと目でわかるようになります。詳しいRMSの基本操作については楽天RMS完全操作ガイドを参照してください。
2. PV・UU・転換率・客単価の正しい理解
アクセス分析を正しく活用するためには、まず基本指標の定義と相互関係を正確に理解する必要があります。楽天RMSでは指標の表記や計算方法が一般的なWeb解析ツール(GA4等)とは異なる部分があるため、楽天独自の定義を把握することが重要です。
基本4指標の定義
- ページビュー(PV) — 店舗内の全ページが閲覧された回数の合計。同じユーザーが同じページを複数回見た場合もカウントされる。商品ページだけでなく、店舗トップや特集ページも含む
- アクセス人数(UU / ユニークユーザー) — 店舗を訪問した実人数。同一ユーザーが同日に複数回訪問しても1としてカウントされる。楽天ではCookieベースで計測されるため、端末をまたぐと別カウントになる点に注意
- 転換率(CVR / コンバージョンレート) — アクセス人数のうち、実際に購入に至った人の割合。計算式は「注文件数 ÷ アクセス人数 × 100」で、楽天市場の平均転換率はカテゴリにより異なるが概ね2〜5%が一般的
- 客単価 — 1注文あたりの平均購入金額。計算式は「売上金額 ÷ 注文件数」。商品単価だけでなく、まとめ買いやセット購入が増えると客単価も上昇する
PVとUUの関係 — 回遊率を読み解く
PVをUUで割った数値は「1人あたりのページ閲覧数」を意味し、店舗内回遊率の指標となります。この数値が高い店舗は、カテゴリページや関連商品リンクが有効に機能しており、ユーザーが複数商品を比較検討していることを示します。楽天市場では回遊率が高いほど購入確率が上がる傾向にあるため、この数値が1.5以下の場合は店舗内の導線設計を見直すべきです。
転換率のカテゴリ別ベンチマーク
転換率は一律に「何%が良い」とは言えません。カテゴリによって大きく異なるため、自店舗のカテゴリにおけるベンチマークを把握する必要があります。一般的に、食品・日用品など消耗品カテゴリは転換率が高く(4〜8%)、家具・家電など高額商品カテゴリは転換率が低い(1〜3%)傾向にあります。自店舗の転換率がカテゴリ平均を下回っている場合は、商品ページの改善(画像追加、説明文強化、レビュー施策)が優先課題となります。
客単価向上の視点
客単価は単に高額商品を売ることだけを意味するのではありません。セット販売、まとめ買い割引、関連商品のクロスセル、送料無料ラインの設定などの施策で客単価は改善できます。RMSの分析画面で客単価の推移を追い、イベント時と通常時の差を把握することで、どの施策が客単価向上に効果的かがデータで判断できます。客単価向上の戦略も合わせて参考にしてください。
3. 流入経路分析 — 検索・ランキング・広告・外部
楽天RMSのアクセス分析では、ユーザーがどの経路から店舗に流入したかを詳細に分析できます。流入経路を正しく把握することは、「どこにリソースを投下すべきか」という戦略的意思決定の基盤となります。楽天市場における主要な流入経路は、楽天内検索、ランキング経由、広告(RPP・CPA等)、外部流入(Google・SNS等)の4つに大別されます。
楽天内検索からの流入
楽天市場における最大の流入経路は楽天内検索です。ユーザーが楽天市場の検索窓にキーワードを入力し、検索結果から商品ページにアクセスするこのルートは、全流入の50〜70%を占めるケースが一般的です。検索経由のアクセスが多い店舗ほど、安定した集客基盤を持っていると言えます。検索経由の流入を増やすためには、楽天SEO対策が不可欠です。
流入経路ごとの特徴と対策
- 楽天内検索 — 購買意欲が高いユーザーが中心。転換率が高い傾向。対策:商品タイトルのキーワード最適化、サジェスト対策
- ランキング経由 — イベント時に急増。社会的証明効果でCVRも高い。対策:ランキング入賞のための集中販売施策
- RPP広告(検索連動型広告) — 検索結果上位に表示される有料枠。即効性が高い。対策:入札単価の最適化とROAS管理
- CPA広告 — 成果報酬型で売上が発生した場合のみ課金。リスクが低い。対策:露出面の最適化
- 外部流入(Google/SNS) — 楽天外部からの流入。転換率は低めだがブランド認知に寄与。対策:SEO記事、SNS運用
- お気に入り・閲覧履歴 — リピーターや比較検討中のユーザー。CVRが非常に高い。対策:適切なタイミングでのクーポン配信
流入経路の構成比を改善する
理想的な流入経路の構成比は、楽天内検索が50〜60%、ランキング経由が10〜20%、広告が15〜25%、外部流入が5〜15%です。広告依存度が高すぎる(40%以上)場合は、広告を止めた途端にアクセスが激減するリスクがあるため、SEO対策による自然検索流入の強化が急務です。逆に、自然検索が80%以上で広告をほとんど使っていない場合は、広告投入でさらなる成長余地があることを示しています。
流入経路分析は月次で定点観測し、構成比の変化を追跡しましょう。イベント月は広告とランキング経由が増え、通常月は自然検索の比率が上がるという季節変動も把握しておくことで、正常な変動とアラートすべき変動を区別できるようになります。楽天RPP広告の最適化についても詳しく解説しています。
4. 商品別アクセス分析とABC分析
店舗全体の数値を見るだけでは具体的な改善アクションは生まれません。商品単位でのアクセスデータを分析し、どの商品がどれだけ貢献しているかを可視化するABC分析が、楽天店舗運営の実践的な武器となります。
ABC分析の方法
ABC分析とは、商品を売上貢献度によってA(上位70%)、B(70〜90%)、C(90〜100%)の3ランクに分類する手法です。楽天RMSの商品別アクセスデータをCSVでダウンロードし、売上金額でソートして累積構成比を計算すると、自店舗のABC分析が完成します。
ABC分析のランク別対応方針
- Aランク商品(売上上位70%) — 店舗の主力商品。アクセス数・転換率・客単価のすべてを最高水準に維持する。商品画像の定期更新、レビュー対策、在庫切れ防止を最優先
- Bランク商品(売上70〜90%) — Aランクに引き上げるポテンシャルがある商品群。アクセスがあるのにCVRが低い商品は商品ページ改善で売上増が見込める。広告テストの対象にも最適
- Cランク商品(売上90〜100%) — 売上貢献度は低いが、品揃えの幅として必要な場合がある。ただし、アクセスも売上もほぼゼロの商品は非公開化を検討し、管理コストを削減する
アクセス数 × 転換率のマトリクス分析
ABC分析に加えて、各商品を「アクセス数」と「転換率」の2軸でマッピングすると、より精度の高い改善アクションが導き出せます。アクセス多・CVR高は現状維持、アクセス多・CVR低は商品ページ改善が急務、アクセス少・CVR高は広告投入で売上倍増の可能性あり、アクセス少・CVR低は根本的な見直し(価格設定、ニーズとの乖離)が必要、というように4象限で整理します。
この分析を月次で実施し、各商品の象限の変化を追跡することで、施策の効果測定にも活用できます。前月にページ改善を行ったBランク商品のCVRが上昇していれば、施策が成功した証拠です。
5. 時間帯・曜日別トレンド分析
楽天RMSでは、アクセスデータを時間帯別・曜日別に確認することができます。この情報は、クーポン配布のタイミング、メルマガ(R-Mail)の配信時間、タイムセールの設定時間、広告入札の強化時間帯など、あらゆるマーケティング施策のタイミング最適化に直結します。
曜日別アクセス傾向
楽天市場全体の傾向として、アクセスが最も多いのは月曜日から水曜日の平日前半です。これは週末にショッピング欲求が高まり、週明けに具体的な検索・購入行動に移るユーザーが多いためと考えられています。ただし、カテゴリによって傾向は異なります。食品カテゴリは金曜日〜日曜日にアクセスが増える傾向があり、ビジネス用品は月曜日〜木曜日が中心です。自店舗のデータで曜日別傾向を確認し、最もアクセスが多い曜日にマーケティング施策を集中させましょう。
時間帯別アクセス傾向
時間帯別では、一般的に12時〜13時のランチタイムと20時〜23時のゴールデンタイムにアクセスのピークが来ます。特に21時〜22時は楽天市場全体で最もアクセスが集中する時間帯であり、タイムセールやクーポン配布を仕掛けるベストタイミングです。
時間帯分析の施策への活用例
- R-Mail配信 — アクセスピークの1〜2時間前(19時〜20時)に配信し、ピーク時に商品ページへの流入を最大化する
- タイムセール — 20時〜24時のゴールデンタイムに設定し、自然アクセス+セール効果の相乗効果を狙う
- RPP広告入札 — アクセスピーク時間帯は入札強化、深夜〜早朝は入札を下げることでROASを改善
- クーポン配布 — ランチタイム(11時〜12時)に「本日限定」クーポンを配布し、即決を促す
- SNS投稿 — 楽天アクセスのピーク30分〜1時間前にSNS投稿し、外部からの流入を仕掛ける
イベント時の時間帯変動
楽天スーパーSALE、お買い物マラソン等のイベント時は、通常の時間帯傾向とは大きく異なる動きを見せます。特にイベント開始直後(通常0時)に深夜にもかかわらず大量のアクセスが集中し、初日の0時〜2時が最大のピークとなるケースが多いです。楽天イベント戦略と合わせて、イベント時の時間帯データを前回実績から振り返り、次回の施策タイミングに反映させましょう。
6. 売上方程式 — アクセス人数×転換率×客単価
楽天市場における売上は、シンプルな方程式で表現できます。「売上 = アクセス人数 × 転換率 × 客単価」です。この方程式を理解し、各変数を個別に改善することで、売上は確実に伸ばせます。そして、RMSのアクセス分析データがあれば、この3変数のどこにボトルネックがあるかを数値で特定できるのです。
売上方程式の具体例
【現状】アクセス10,000人 × 転換率2.5% × 客単価4,000円 = 売上100万円
↓ アクセスを30%増やした場合
【改善A】アクセス13,000人 × 転換率2.5% × 客単価4,000円 = 売上130万円(+30%)
↓ 転換率を1%上げた場合
【改善B】アクセス10,000人 × 転換率3.5% × 客単価4,000円 = 売上140万円(+40%)
↓ 客単価を1,000円上げた場合
【改善C】アクセス10,000人 × 転換率2.5% × 客単価5,000円 = 売上125万円(+25%)
ボトルネックの特定方法
3つの変数のうち、どれが最も改善しやすくインパクトが大きいかを見極めることが戦略の核心です。判断基準として、まずカテゴリ平均値との比較を行います。転換率がカテゴリ平均を大きく下回っている場合はCVR改善が最優先。アクセス人数が競合に比べて少ない場合はSEO・広告の強化が最優先。客単価が低い場合はセット販売や上位商品の訴求が最優先となります。
各変数の改善施策一覧
- アクセス人数を増やす — 楽天SEO最適化(検索アルゴリズム対策)、RPP広告の出稿・入札強化、ランキング入賞施策、メルマガ配信頻度の増加、外部SNS流入の強化
- 転換率を上げる — 商品画像の追加・改善、商品説明文の強化、レビュー件数の増加(レビュー獲得戦略)、適正価格への調整、クーポン施策、あす楽対応
- 客単価を上げる — セット商品の企画、まとめ買い割引、送料無料ラインの設定、上位グレード商品の訴求強化、関連商品のクロスセル表示
重要なのは、3変数を同時に改善しようとしないことです。リソースを分散させると効果が出にくくなります。RMSのデータから最もボトルネックとなっている1変数を特定し、そこに集中的にリソースを投下する。2〜4週間で効果を測定し、次のボトルネックに移る。このサイクルを回すことで、確実かつ効率的に売上を伸ばせます。
7. 検索キーワード分析(店舗内・楽天内)
楽天RMSのアクセス分析では、ユーザーがどのようなキーワードで検索して店舗にたどり着いたかを確認することができます。検索キーワード分析は大きく分けて「楽天内検索キーワード」と「店舗内検索キーワード」の2種類があり、それぞれ異なる改善アクションにつながります。
楽天内検索キーワード分析
楽天内検索キーワードとは、ユーザーが楽天市場のトップ検索窓にキーワードを入力し、検索結果から自店舗の商品をクリックした際のキーワードです。このデータは、ユーザーがどのようなニーズ・言葉で商品を探しているかを直接的に教えてくれます。
検索キーワード分析で確認すべきポイント
- 上位キーワードの確認 — 最もアクセスを稼いでいるキーワードTOP20を把握。これらのキーワードで検索順位が落ちるとアクセスに大きな影響が出る
- 想定外キーワードの発見 — 想定していなかったキーワードからの流入を発見したら、商品タイトルや説明文にそのキーワードを追加し、さらに順位を上げる
- キーワード × CVRの分析 — キーワードごとの転換率を確認。CVRが高いキーワードはRPP広告の入札対象に追加する価値が高い
- 季節キーワードの検出 — 特定の時期にだけ増えるキーワードを前年データから把握し、需要期前に対策を完了させる
店舗内検索キーワード分析
店舗内検索とは、自店舗のページ内にある検索窓を使ってユーザーが検索した際のキーワードです。このデータは「ユーザーが店舗内で探したが見つからなかった可能性のある商品」を示唆する極めて重要な情報です。
店舗内検索で頻繁に検索されているが該当商品がない場合は、新商品の仕入れ・開発のヒントになります。また、商品は存在するがキーワードが一致せず表示されない場合は、商品名やタグの修正で解決できます。店舗内検索結果が「0件」になるキーワードを特定し、対応を行うことで、機会損失を最小限に抑えられます。
検索キーワード分析は楽天SEO対策の基礎データとなるだけでなく、RPP広告のキーワード選定にも直結するため、最低でも週次で確認すべき最重要レポートの一つです。
8. カテゴリ別パフォーマンス比較
複数のカテゴリの商品を扱っている店舗では、カテゴリ別のパフォーマンス比較が欠かせません。カテゴリによってアクセス数、転換率、客単価の傾向は大きく異なるため、店舗全体の数値だけ見ていると正しい判断ができません。RMSのアクセス分析でカテゴリフィルターを活用し、カテゴリ単位での健全性を把握しましょう。
カテゴリ別比較の観点
- 売上構成比 — 各カテゴリが全体売上に占める割合。特定カテゴリへの依存度が高すぎる場合、そのカテゴリの市場変動リスクに弱い
- アクセス数トレンド — カテゴリごとのアクセス数の推移。成長カテゴリと衰退カテゴリを早期に特定する
- 転換率の差異 — カテゴリ間での転換率の差を確認。転換率が異常に低いカテゴリは、商品ページの品質や価格設定に問題がある可能性
- 利益率との掛け合わせ — アクセスデータと原価データを組み合わせ、「利益額 = アクセス × CVR × 客単価 × 利益率」でカテゴリ別の利益貢献度を算出する
- 季節変動パターン — カテゴリごとの季節変動を把握し、在庫計画と広告予算配分に反映させる
カテゴリポートフォリオ戦略
ABC分析と同様に、カテゴリ単位でもポートフォリオ的な視点が重要です。現在の主力カテゴリ(高売上・高利益)、成長カテゴリ(アクセス増加中・今後の主力候補)、安定カテゴリ(低成長だが安定した利益)、問題カテゴリ(アクセス減少・利益率低下)に分類し、それぞれに対する投資・撤退判断を行います。
特に注意すべきは、アクセスが減少トレンドにあるカテゴリです。市場自体が縮小しているのか、競合に奪われているのかを区別する必要があります。楽天のカテゴリ戦略も参考に、データに基づいた判断を行いましょう。
9. 改善アクションの優先順位付け
アクセス分析から多くの課題が見つかっても、すべてを同時に改善することは不可能です。限られたリソースで最大の効果を出すためには、改善アクションの優先順位付けが必要です。ここでは、データに基づいた優先順位の決め方を解説します。
ICEスコアによる優先順位付け
ICEスコアは「Impact(影響度)× Confidence(確信度)× Ease(容易さ)」の3要素で各施策を評価する手法です。それぞれ1〜10の数値で採点し、掛け合わせたスコアが高い施策から優先的に着手します。
ICEスコアの採点基準
- Impact(影響度) — その施策が売上にどれだけインパクトを与えるか。Aランク商品のCVR改善は影響度9-10、Cランク商品の改善は3-4
- Confidence(確信度) — その施策が成功する確信がどの程度あるか。過去に効果実証済みの施策は8-10、仮説段階の施策は3-5
- Ease(容易さ) — その施策にかかる工数・コスト・時間がどの程度か。1時間で完了する施策は9-10、開発が必要な施策は2-4
データドリブンな優先順位の具体例
たとえば、RMSのデータから以下の課題が見つかったとします。(A) Aランク商品の転換率が先月から0.5%低下している。(B) 楽天内検索からの流入が前年比で20%減少している。(C) 新規取扱いカテゴリの客単価が想定より30%低い。
この場合、(A)はImpact9×Confidence8×Ease7=504点、(B)はImpact8×Confidence6×Ease5=240点、(C)はImpact5×Confidence5×Ease6=150点となり、最優先は(A)のAランク商品のCVR回復ということになります。Aランク商品の転換率が0.5%下がるだけで月商に大きな影響が出るため、原因究明(レビュー悪化?競合値下げ?画像の劣化?)を即座に行い、対策を打つべきです。
改善サイクルの回し方
優先順位が決まったら、「仮説設定 → 施策実行 → 効果測定 → 次のアクション決定」のサイクルを2〜4週間単位で回します。RMSのアクセス分析で施策実施前後のデータを比較し、効果が出ていれば継続・拡大、効果が出ていなければ仮説を見直して別の施策を試みる。このPDCAを止めずに回し続けることが、継続的な売上成長の鍵となります。
10. レポート自動化と定点観測の仕組み
アクセス分析を活用して成果を出し続けるためには、データ確認を日常業務に組み込む仕組みが必要です。忙しい店舗運営の中で、毎回RMSにログインして手動で数字を追いかけるのは現実的ではありません。ここでは、効率的な定点観測とレポート自動化の方法を解説します。
日次・週次・月次の確認項目
- 日次確認(毎朝5分) — 昨日のアクセス人数、売上金額、転換率を前日比で確認。異常値(急落/急騰)があれば即座に原因調査
- 週次確認(毎週月曜15分) — 先週の全体KPI、商品別アクセスTOP10、流入経路構成比、検索キーワードTOP20を確認。前週比で変動が大きい項目にフラグを立てる
- 月次確認(月初30分) — 先月の全指標サマリー、ABC分析の更新、カテゴリ別パフォーマンス比較、前年同月比での成長率を確認。翌月の施策計画を策定する
レポート自動化の方法
RMSのデータをGoogleスプレッドシートに定期的に取り込み、自動でグラフ化するダッシュボードを構築することで、レポート作成の工数をゼロに近づけることができます。具体的な方法としては、RMSのCSVダウンロード機能を使い、Googleスプレッドシートのインポート機能と組み合わせる方法が最もシンプルです。
レポート自動化の構築ステップ
- RMSアクセス分析から主要データをCSVダウンロード(手動の場合は週次で十分)
- Googleスプレッドシートにデータを蓄積する「生データ」シートを作成
- VLOOKUP・SUMIFS等の関数で自動集計する「サマリー」シートを作成
- グラフ(推移グラフ、構成比グラフ、散布図)を自動生成する「ダッシュボード」シートを作成
- 条件付き書式で異常値(前週比20%以上の変動)を自動ハイライト
- RMS APIが利用可能な場合は、GAS(Google Apps Script)でデータ取得を完全自動化
アラート設定のすすめ
日次確認の負荷をさらに減らすために、異常値アラートを設定しましょう。例えば、前日比でアクセスが30%以上減少した場合、転換率が1%以上下落した場合、特定のAランク商品のアクセスが50%以上減った場合にメールやSlack通知が飛ぶ仕組みを構築します。GAS(Google Apps Script)とトリガー機能を使えば、毎朝自動でチェックが走り、異常がある場合だけ通知が届くため、問題がないときは何もしなくて良い状態を作れます。
定点観測で成果を最大化する
データ分析の最大の敵は「続かないこと」です。いくら精緻なレポートを一度作っても、その後更新が止まれば意味がありません。そのため、確認の仕組みをできるだけ自動化し、人間がやるべき作業を「データを見る → 判断する → アクションを決める」の部分だけに絞ることが重要です。データ収集・集計・可視化は自動化し、思考と意思決定にリソースを集中させる。これがデータドリブン経営の本質であり、楽天市場で継続的に売上を伸ばし続ける店舗の共通項です。
まとめ — データから売上改善アクションへ
楽天RMSのアクセス分析は、単なる「数字を見るためのツール」ではなく、「次に何をすべきかを教えてくれる意思決定支援システム」です。本記事で解説した分析手法を日常業務に取り入れることで、感覚や経験だけに頼らない、データに裏付けられた店舗運営が実現します。
明日から始めるアクションリスト
- RMSアクセス分析画面を開き、過去3ヶ月のアクセス人数・転換率・客単価の推移を確認する
- 売上方程式(アクセス×転換率×客単価)のどこにボトルネックがあるかを特定する
- 商品別データをCSVダウンロードし、ABC分析で主力商品を明確にする
- 流入経路の構成比を確認し、広告依存度が適正かチェックする
- 検索キーワードTOP20を確認し、想定外のキーワードがあれば商品タイトルに追加する
- Googleスプレッドシートで簡易ダッシュボードを構築し、週次更新を習慣化する
- ICEスコアで改善施策に優先順位をつけ、最もスコアの高い施策から着手する
アクセス分析は一度やって終わりではなく、継続的な定点観測と改善サイクルの繰り返しによって真の価値を発揮します。最初は週1回、慣れてきたら日次のルーティンに組み込み、データを見ることが「特別なこと」ではなく「当たり前の習慣」になったとき、あなたの店舗は確実に競合に差をつけていることでしょう。
楽天市場での店舗運営全体について体系的に学びたい方は、楽天RMS完全操作ガイドや楽天検索アルゴリズム攻略もぜひご覧ください。データに基づいた改善を続ければ、楽天市場での売上アップは必ず実現できます。
楽天市場の商品ページを改善して転換率を上げたい方へ
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